頑張っている人、ズルい人

以前、最大手の引越業者でアルバイトをしていた時の話です。真夏でひどく熱い日の事でした。

ファミリー向けの引越しで2台のトラックと5人のスタッフでの引っ越しでした。
いつも通り責任者がお客様と打ち合わせ。その間にエレベーターの養生や壁の養生を行います。アルバイトだったので指示を受け、その仕事を急いでこなします。

その時のスタッフは3人が引越業者の正社員、そして自分ともう一人のアルバイトの5人でした。
養生だけでも汗ダクになるほどの熱さでしたが、次の引っ越しもあったので急いでこなします。

急いで養生を行い家電を包む毛布等をお客様のお宅へ運びこみます。その後、すぐにダンボール運び。
流石にファミリーの引っ越しなので、箱数もかなりの物です。重たいダンボールもあれば軽いダンボールもあります。

汗ダクになりながらまずは重たいダンボールから運んで土台にしないと、と思いながら小さな箱を3個づつ抱えて運んでいました。

中々減らないな~もう一人のアルバイトと2人で運んでいるはずなのに。。。と思いながらも次の引っ越しの時間に間に合わせないと。とダッシュで運んでしました。トラックに箱を積み込み階段で上への繰り返し。だんだん熱さも心地よくなる程集中してきた時です。

階段に向かっている時にエレベーターが開きもう一人のアルバイトが大きな軽い荷物を1つづつ運んでいるのです。額に少し汗がにじんでる程度で服に汗をかいた後なし。

大体重いダンボールは箱が小さく、軽いダンボールは箱が大きいのです。周囲から見れば大きな荷物を運んでるのを見ると頑張ってるな!と思われるはずです。

指示は思いダンボールから運んで荷崩れしない様に土台にする事だったはずと思いながらも指示の変更があったのかもと思いながら重たい箱を運び続けました。

ダンボールが終わり家電や家具の運び出しの時、もう一人のアルバイトを見かけませんでした。
階段の影で一休みしていました。熱いのは解るけど運べよ~と思いながらも社員のスピーディーな運び出しに付いていくのが精いっぱいで、注意する余裕もありませんでした。

全ての荷物が積み終わりお客様が「差し入れです。熱い中ありがとうございます。」とお茶やジュースを差し入れてくれたのです。

その瞬間あまり見かけなかったもう一人のアルバイトが「いただきます!」とどこから出てきたみたいな感じでゴクゴク飲んでいました。

しかし、お客様はそのアルバイトにはあまり話かける事はなく自分や社員さんに重たいのに3つづつも運ぶなんて凄いですね。どんどん飲んでくださいともう1本ジュースをくれました。

残りは分けてくださいと社員に渡してもう一人のアルバイトには渡していませんでした。

恐らく2本づつあるけどもう一人のアルバイトには社員から渡して下さいねのメッセージだったのだと思います。

もう一人のアルバイトは人が見ているとこではテキパキと動き見ていない時は休むの繰り返しだったのです。

それをお客様も社員も実は気づいていて自分には声かけてくれたり、ジュースをくれたのでした。
次の日そのもう一人のアルバイトはクビになったと聞き、「お前は頑張っていたからな社員になるか?」
と言われた時はスッキリしたのと嬉しさでまた頑張ろうと思ったのを覚えています。

正直に一生懸命やると人に認めてもらえる事を学んだ引っ越しでした。