教育ママの子どもってどうなの?

私が引越し業者でエプロンサービス(梱包作業)のアルバイトをしたときのことです。

3LDKのごく普通の賃貸マンションのお宅でした。オートロックなどはない、すこし古い感じの建物です。荷物すべてを梱包ということで、午前中に出発予定だったため、エプロンサービスの作業員は4人で伺いました。その階の突き当たりにあるお部屋でした。玄関ドアの横にある、窓の格子には畳んでいない傘がたくさんかかっていて、突き当たりなので遠慮しなくてすむためか、枯れた植物がそのままになった植木鉢もたくさんありました。

あまり広くはない玄関に、お子様のバットやグローブ、サッカーボール、バドミントンのセットなどが置かれ、靴もたくさん散乱しています。ご家族が多いのかな、と思いました。リーダーが挨拶すると、ご家族は4人だとわかりました。すこしだけ片付け下手の、少しだけモノが多めの、でもごく普通の家庭です。

作業員のうち二人がキッチンに入り、一人はリビングから取りかかり、私は子供部屋から始めました。子供部屋は、おそらく6畳の広さなのですが、二段ベッドがあり、机を二つ並べているため、段ボール箱を置くスペースがなかなか見つからず、苦労しました。

布団袋を持ってきて、先にお子様ふたりの布団を片付け、ベッドの上を空けて、そのスペースに段ボール箱を置いて、梱包作業をはじめました。子供部屋や書斎には、必ず本や書類がありますから、まずは重いモノを段ボールの下の方に入れるという基本通り、本や書類を入れていきます。子供部屋の机の上も下も、決して片付いているとは言えなかったのですが、それ以上に驚いたのは、子供の教材の多さです。

英会話のテキストと、CDなどのセットがあり、それだけでも一箱がうまってしまいます。そして学研の中学生向け問題集があり、こちらは各教科ごとに参考書と問題集があるようで、段ボール箱にすると三箱分はありました。小学生向けの植物図鑑、星座図鑑、生物図鑑、宇宙図鑑。歴史のわかる漫画系の資料や、漫画でわかる古典などの本もあり、とにかく部屋の隙間すべてぎゅうぎゅうに、教育関連の書物があるのです。

その上、通信講座での教材、進研ゼミから過去送られてきたものが図鑑の入ったカラーボックスの上に積み上がっていました。

図鑑などを普通の段ボール箱にぎっしり詰めてしまうと、持ち上げるときに腰を痛めたりする可能性もありますから、半分くらいまでを本にして、その上に体操着や衣類など詰めましたが、とにかく本類が多くて作業が手間取りました。

このお客様は子供の教育に、とても興味があるのだなと思いました。でもおそらく、子供の方はそれほど勉強好きではないようでした。お兄ちゃんと顔を合わせたので「お兄ちゃんは中学三年生?」と訊くと「中二です」と言っていましたが、学研のテキストはどの学年の分もまだ開封していませんでしたし、進研ゼミから送られてきた教材もほとんどは送ってきた状態、ビニール袋に入っているそのまま積み重ねられているからです。

キッチンを先に片付けた二人のうち一人が、手伝いに来てくれて、やはり本の多さに驚いていました。本ばかり詰めると重くて持てなくなるので、洗面所にあるタオルなども持ってきて、上の方はなるべく軽いモノで調整します。

親は、子供を塾にやったり、教材を買い与えたりして、それで満足してしまうのかもしれませんが、子供自身がやる気にならないのであれば、無駄になっているかもしれないなと、考えさせられたおうちでした。